がらんどうのイベントのアーカイブス

今を青春　詩の朗読とトーク　詩人桜井哲夫の思い
詩人･桜井哲夫の思い

　ハンセン病､国立療養所「栗生楽泉園」で過ごした６０余年の心を映し出した詩の世界を
ＮＨＫアナウンサー青木裕子の朗読と､桜井哲夫をもっとも敬愛する金正美のトークと通訳で綴る｡
　今回は､知立のリリオホールから感動をお送りいたします｡

破戒
青森県北津軽郡鶴田町妙堂崎　長峰利造　大正十三年七月十日生まれ　父　太兵衛　　母　はる
ライ園への旅立ちの朝　顔を歪めて父は言った　たとえ口を裂かれるともこのことだけは　けっして言うな
父の戒めを守って四十五年　俺は死んだ人のように口を開かなかった
だが六月二十五日ライを正しく理解する　　日が来るたびに思うのだ
俺が固く口を閉ざしていて誰にライを正しく　理解せよと言うのか　俺は戒めの口を開こう
俺は罪によって生まれたのでもなければ　　悪によって病人でいるのでもないのだから
父よ　あの朝あなたは許してくれといった　そして今私はあなたに許してくださいと言う
すべての人に理解をもとめてむあなたの戒めを　破るのだから

詩集『津軽の子守唄』より

2005年2月20日(日)　午後2時より　
知立リリオコンサートホール名鉄本線知立駅　徒歩4分　　ＪＲ新幹線　三河安城駅　車15分
■参加費　大人　1,800円　　小中学生　800円
■取扱い　がらんどう各店･リリオホール･竹内書店(安城駅前)
　　　　(お早めのご予約は0566-98-2200･がらんどう迄)

桜井哲夫(さくらいてつお)年譜 1924年7月10日　青森県北津軽郡鶴田町妙堂崎に生まれる
1931年4月　水元村立水元尋常小学校妙堂崎分教場入学
1939年3月　水元村立水元尋常小学校高等科卒業
1941年10月　国立療養所栗生楽泉園入園
1953年　失明
1983年　栗生詩話会入会
1985年　受洗(カトリック)
1988年11月　詩集『津軽の子守唄』
1991年1月　詩集『ぎんよう』
1994年5月　詩集『無窮花抄』
1996年8月　散文集『盲目の王将物語』(｢久遠の花｣などを所収)
2000年4月　詩集『タイの蝶々』
2001年5月27日より5泊6日で韓国釜山を訪問
2002年1月　詩集『鵲の家』
2002年2月14日　NHKテレビにんげんドキュメント｢津軽故郷の光の中へ｣に出演

出演
桜井哲夫(詩人)
青木裕子(NHKアナウンサｰ)
金　正美キムチョンミ(エッセイスト)

桜井哲夫作品リスト
著書
｢津軽の子守唄｣｢ぎんよう｣｢無窮花抄｣
｢タイの蝶々｣｢鵲(かささぎ)の家｣
散文集
｢盲目の王将物語｣

青木裕子
NHKラジオセンター
チーフ･アナウンサー

収益金をチャリティーとして活用させていただきます
企画　哲っちゃんの詩を語る会･萬來社
ギャラリー・がらんどう　TEL:0566-98-2200

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更新日　2007年11月05日